2018-01-01から1年間の記事一覧
ふと懐かしくなって、昔読んだ本を開けてみると、なにやら動くものが。 「おや、なんの虫だろう。まさか、シラミやノミでは?」と一瞬ギョッとさせられますが、 そうではありません。 これは、体長一ミリメートルほどで淡褐色をしているヒラタチャタテという…
動物園のカバは、昼間でも陸に上がっていることがありますが、野生のカバは昼間は川の中で眠ったり、泳いだりしています。そして、夜になると草を食べに陸に上がってきます。 あまり見る機会はありませんが、カバは大変な汗かきで、陸に上がると、全身汗びっ…
シロクマは、北極にしかいません。ペンギンは南極にしかいません。シロクマの体毛と脂肪の厚さを考えると、北極のほうが寒い気がします。 実際のところはどうなのでしょう。 まず地形的に考えてみましょう。南極は大陸が海に囲まれていて、北極は周りを大陸…
宇宙から見た地球は、まさに「水の惑星」という名にふさわしい美しい青色をしています。 暗い宇宙にあって、そこだけが生命の息づく場所という気さえしてきます。このように地球 が青く見えるのは、地球を取り巻く大気の粒子が太陽の光に反射するため。そし…
テープやビデオで聞く自分の声は、なぜかいつも聞いている自分の声より貧弱な気がしま す。しかし、他人の声はあまり違わないで聞こえます。これは、どうしてでしょう。 われわれは、自分の声を、頭蓋骨を伝わって聴神経によって聴いています。そのため、外…
青い海を、色とりどりのウインドサーフィンが走るのが、湘南や江ノ島の風物詩となって います。このウインドサーフィン、見ているとバランスを取ったり、舵を操るのがなかなか難しそう。それに、風がなければうまく進まないのではとも思ってしまいます。 と…
生クリームを混ぜていて、うっかり混ぜ過ぎると、油分が出てきてしまうことがあります。 でも、「あーあ、無駄になっちゃった」などと思わなくても大丈夫。実は、ひたすら混ぜていると、油分と水分に分かれ、それがバターと乳清になるのです。バターはこうし…
夏ミカンと聞くだけで、あの酸っぱさを連想して、ツバをゴクリと飲んでしまう人も多い はず。とはいえ、最近の夏ミカンは品種改良が進んでずいぶん甘くなり、滅多に酸っぱいミカンにお目にかからなくなってしまいました。 さて、この夏ミカンが出回り始める…
最近はメロンの種類も豊富になり、夕張メロン、アンデスメロン、アムスメロンなどさまざまな品種が出回っています。 そのメロンの代表格は、なんと言ってもマスクメロン。そのトレードマークとも言えるのが、表面に盛り上がっている網目の筋です。 この網目…
まったく香りも味わいも違う紅茶、緑茶、中国茶ですが、実は同じ茶の木から摘まれた葉が原料です。葉の中にある酵素をどの程度発酵させるかによって、種類の違うものができ上がります。 十分に発酵させてできるのが紅茶です。これは、摘んだ葉を棚に広げて干…
逆子や胎児の頭が骨盤より大きい場合に行なわれる帝王切開は、今ではさほど難しい手術ではなくなりました。 しかし、その昔は、お産中に母親が死んだ場合に、やむなく開腹して胎児を救うという決死的な手術だったようです。 こうした帝王切開の起源は古く、…
この疑問に考えるためには、実際に蚊が刺しているところを、虫メガネで見てみることです。と言っても、あとでかゆいのでしゃくにさわりますが。 蚊の口ばしが、一本でなく二本であることに気づきましたか。一つは上唇で、二本の毛か らなっていて、その先は…
天ぷら油などが飛んで火傷したとき、赤く腫れてヒリヒリ痛み、水膨れになることがあります。やがて治ってくると、皮は茶色くなってむけてしまいます。 日焼けもこれと同じ。つまり、軽い火傷なのです。だから、日焼けのひどいものは火膨れになりますし、時間…
体を流さずに、いきなりお風呂に入ると、体中に細かい泡がつきます。これは、毛穴や毛の間の空気がそのままお湯の中に持ち込まれて、それが温まって膨れて泡になったもの。 体を濡らして入っても、お風呂のお湯をかき回したりすると泡がつくことがありますが…
前の巣を使うのは親ツバメ。 その確率は五〇~六〇パーセントと言われています。 ツバメは高いところから見た景色をちゃんと覚えているのです。なにしろ巣をつくるとき に、枯れ草の切れ端や泥の固まりを何十回も運ぶのですから、このとき巣の場所をしっかり…
同じ場所にいても、自分ばっかり蚊に刺されると嘆く気の毒な人がいます。これは、その人の思い込みではなく、科学的にも正しいこと。 蚊が人間を刺すとき、「これは腕だ、足だ、女の子だ」などと目で確かめてから吸うわけではなく、体から立ち上る何かを手が…
炎天下を歩いているとき、「かき氷」の看板は素通りできないもの。引き寄せられるようにお店に入って、「氷いちご」をほおばります。その冷たいこと、こたえられません。でも、 一気にかき込んでいると、そのうち頭がキーンと痛くなってきます。なぜでしょう…
カツオの一本釣りは、男の戦場。釣られまいとするカツオとの一騎打ちで、機械化された 現代に似合わない熱い血潮を感じさせられる漁法です。 カツオは二〇~二二度の水温が好きで、春から夏にかけて黒潮に乗って、南のほうから日本の近くまでやって来ます。そ…
ハスは大昔から、大切な食べ物でした。根のレンコンだけでなく、種も食べられたので、 お米などと一緒に田んぼの中でつくられてきました。タンニンや鉄分を含んでいて止血作用があるので、すりおろした汁を飲むと、胃潰瘍や子宮出血、喀血などにも効き、また…
紙は今から千九百年も昔に中国で発明されましたが、それまでにも紙に似たものが使われ ていました。それは、絹の布です。 絹の布はその頃から着物の材料として貴重なものでしたが、筆で字が書けるので紙の役割もしていました。絹は、カイコがつくったマスか…
肘鉄を食らうのは痛いものですが、肘を机の角などでぶつけたときにも相当なもの。目の玉が飛び出しそうです。 これは、肘のところに神経の束が通っているためで、神経は体内のあちこちから、ちょうど木の枝が根元に向かって集まり、太い枝となり、幹となって…
暖房をつけると、暖かい空気が上に上がってしまい、足下が寒いのはご承知の通り。お風呂を沸かして、表面が熱いからと入ったら、底はまだ水だったなんてことも経験済みでしょう。空気も水も、温度が上がると膨張して軽くなるので、上に上がる性質があるため…
茹で卵をむくのにも、ちょっとしたコツを知っていると知らないでは大違い。茹ったら、すぐ水につけると殻がむきやすいので覚えておきましょう。 卵の殻は、密閉されているように見えますが、ほんの少しですが空気が通っています。卵の内部には気室(気泡)があ…
高速道路などのトンネルでは、オレンジ色のナトリウム灯が使われています。トンネルという異空間が、あの色でさらに不思議な雰囲気を醸し出します。見るものすべてオレンジ色。さっきまで緑色をしていたTシャツも、青いトレーナーもオ レンジに変わるのです…
柿の実がたわわになっている田園風景は、昔ながらの日本の秋という感じで風情があります。毎年秋になると必ず色づく柿やミカン、どういう仕組みになっているのでしょう。植物には、緑色の葉緑素、赤・橙・黄色のカロチノイド、赤・青・紫色のアントシアン、 …
昆虫と言えば、その行動範囲は限られているように思われますが、鳥のように渡りをする種類もいます。 たとえば、アカトンボの名で知られるアキアカネ。平地の田んぼや池で六月末から七月頃に羽化した成虫は、体は黄色く、短い距離を低く飛びながら、しだいに…
マグロが黒潮に乗って関東沿岸に姿を現わすのは夏の終わり。それから、さらに北に向かい、重さが八キログラムにもなると、太平洋を横切ってアメリカ西海岸まで渡っていくのです。 その間、ずっと泳ぎっ放しというから恐れ入ります。泳ぐために生まれてきたと…
昔の人は、自然や身の回りのことから天気を予測してきました。「夕焼けは晴れ」「月が笠 をかぶると雨」といったものは今日でもよく知られています。 また、虫を観察する方法もいろいろ伝えられています。「アリが巣の出入口をふさいでいると大雨が降る」と…
雨上がりのクモの巣は、水の玉がキラキラ光ってそれはきれい。かわいらしいチョウや虫たちを捕る恐ろしい道具だということを忘れてしまうほどです。クモはこの糸をどのようにしてつくるのかと言うと、お尻に糸いぼというものがあって、そこにある出糸管から…
冷血動物とか変温動物とか言われている魚たち、でも体温がないわけではありません。棲んでいる場所の水温と、ほぼ同じくらいか少し高めの体温を持っています。 たとえばコイは、冬、水温が五~六度になると体温も五~六度になり、夏、水温が三〇度 になると体…