帝王切開の「帝王」って誰のこと?

逆子や胎児の頭が骨盤より大きい場合に行なわれる帝王切開は、今ではさほど難しい手術ではなくなりました。 しかし、その昔は、お産中に母親が死んだ場合に、やむなく開腹して胎児を救うという決死的な手術だったようです。


こうした帝王切開の起源は古く、紀元前三世紀の古代エジプトでの記録が残っていますし、 ローマ帝国では、どのような場合に帝王切開をすべきかを法で定めていました。


ところで、帝王切開の「帝王」とは、どういう意味なのでしょうか。
帝王切開は、ラテン語で「sectio Caesarea」と言います。「caesarea」とは、 切る、切り刻むという意味なのですが、ドイツ語に訳するときに、これをうっか 「caesar」、つまりローマ帝王ジュリアス・シーザーと誤訳してしまったのです。

 

この誤訳が、今でも使われ続けているということなのです。 ただし、シーザー自身が子宮切開によって生まれたから帝王切開と呼ぶのだとする説もあります。