レンコンの穴は何のため?

ハスは大昔から、大切な食べ物でした。根のレンコンだけでなく、種も食べられたので、 お米などと一緒に田んぼの中でつくられてきました。タンニンや鉄分を含んでいて止血作用があるので、すりおろした汁を飲むと、胃潰瘍や子宮出血、喀血などにも効き、また、絞り汁は咳止め効果があるとされてきました。

さらに栄養面でも、1〇〇グラム中に、ビタミン Cが五五ミリグラムも含まれているという、優れものでもあります。 そんなレンコンの特徴と言えば、いくつも並んでいる穴。このお陰で、お料理でもミソとカラシを詰めたカラシレンコンとか、挽き肉を詰めて、揚げたり煮たりして楽 しむことができます。


さて、その穴ですが、本来は空気の通り道。水底の泥の中に横たわっているレンコンが空気に触れるための大事なものなのです。この穴が、地上の茎や葉にあいている小さな穴とつながっていて、空気のほか、水蒸気の通り道にもな っています。

レンコンの旬と言えば秋から冬にかけて。
ふだんは細いハスの根が、冬を越すために栄養を溜め込んで根の先のほうの三~四節だけが急に太くなるのです。春になると芽を出すのもこの部分です。