春先に出回るのになぜ夏ミカンと言うか

夏ミカンと聞くだけで、あの酸っぱさを連想して、ツバをゴクリと飲んでしまう人も多い はず。とはいえ、最近の夏ミカンは品種改良が進んでずいぶん甘くなり、滅多に酸っぱいミカンにお目にかからなくなってしまいました。

 

さて、この夏ミカンが出回り始めるのは二月頃からで、三~五月が出荷の最盛期となります。つまり、春の果物というわけです。俳句の世界でも夏ミカンは春の季語とされています。 それなのになぜ、夏ミカンと呼ばれるのでしょうか。


夏ミカンは、あまりの酸っぱさにそのままでは食べられず、子供の玩具や酢の代用品として使われてきましたが、木につけたまま初夏~夏頃まで待つと、酸味が和らぐことがわかったのです。


夏に食べておいしいミカンということで夏ミカンと呼ばれるようになったわけですが、この名前だけは、品種改良がなされ、出荷が春先に変わっても、そのまま残ったというわけです。

 

ちなみに、夏ミカンは十八世紀初頭、山口県長門市にある青海島の海岸に漂着した果物の種をまいたのが始まりだと言われています。山口県萩の武家屋敷の庭先には今でも夏ミカンの木があちこちに見られます。

マスクメロンの網目の正体は?

最近はメロンの種類も豊富になり、夕張メロンアンデスメロン、アムスメロンなどさまざまな品種が出回っています。


そのメロンの代表格は、なんと言ってもマスクメロン。そのトレードマークとも言えるのが、表面に盛り上がっている網目の筋です。 この網目は、どうしてできるのでしょう。

 

マスクメロンは、皮よりも中身のほうが速いスピードで生長します。このため、内側から皮に強い圧力がかかって、皮にひび割れができるのです。

 

このひび割れにコルク層が発達してできたのが、網目の正体なのです。

紅茶も緑茶ももとは同じ

まったく香りも味わいも違う紅茶、緑茶、中国茶ですが、実は同じ茶の木から摘まれた葉が原料です。葉の中にある酵素をどの程度発酵させるかによって、種類の違うものができ上がります。


十分に発酵させてできるのが紅茶です。これは、摘んだ葉を棚に広げて干し、ローラーにかけて汁を絞り出してから濡れた布で覆うと、葉の酵素が働いて発酵し、黒っぽい色に仕上がります。

 

中国茶は半発酵させたもので、発酵の度合いによって、ウーロン茶など、さまざまな種類がつくられています。 発酵をまったくさせないのが緑茶で、若葉を蒸してもんだり、炒ったりしてつくられます。

帝王切開の「帝王」って誰のこと?

逆子や胎児の頭が骨盤より大きい場合に行なわれる帝王切開は、今ではさほど難しい手術ではなくなりました。 しかし、その昔は、お産中に母親が死んだ場合に、やむなく開腹して胎児を救うという決死的な手術だったようです。


こうした帝王切開の起源は古く、紀元前三世紀の古代エジプトでの記録が残っていますし、 ローマ帝国では、どのような場合に帝王切開をすべきかを法で定めていました。


ところで、帝王切開の「帝王」とは、どういう意味なのでしょうか。
帝王切開は、ラテン語で「sectio Caesarea」と言います。「caesarea」とは、 切る、切り刻むという意味なのですが、ドイツ語に訳するときに、これをうっか 「caesar」、つまりローマ帝王ジュリアス・シーザーと誤訳してしまったのです。

 

この誤訳が、今でも使われ続けているということなのです。 ただし、シーザー自身が子宮切開によって生まれたから帝王切開と呼ぶのだとする説もあります。

蚊の口ばしは髪の毛のようなのにどうして人を刺せるのか?

この疑問に考えるためには、実際に蚊が刺しているところを、虫メガネで見てみることです。と言っても、あとでかゆいのでしゃくにさわりますが。


蚊の口ばしが、一本でなく二本であることに気づきましたか。一つは上唇で、二本の毛か らなっていて、その先はキリのようにとがっています。もう一つは下唇で、前のほうに巻いてサヤをつくり、上唇を包んでいます。


蚊が、人間の肌に下唇を当てると、その中に包まれているキリの役目をする毛が肌に傷をつけます。それから、上唇が深く刺さり、血を吸うのです。

 

その際、下唇は、後ろへたわんでいます。 人間の血は、体の外に出るとすぐ固まる性質がありますが、蚊の唾には血を固まらせない成分が含まれているので、その心配は要りません。

日焼けのあとがかゆいのはなぜ?

天ぷら油などが飛んで火傷したとき、赤く腫れてヒリヒリ痛み、水膨れになることがあります。やがて治ってくると、皮は茶色くなってむけてしまいます。


日焼けもこれと同じ。つまり、軽い火傷なのです。だから、日焼けのひどいものは火膨れになりますし、時間が経てば皮がむけてきます。

 

ところで、日焼けはなぜかゆいのでしょう。 それは、痛みとかゆみは兄弟のようなもので、痛みがうんと軽いときは、かゆく感じられるからなのです。


皮膚には痛みを感じる痛点があります。痛点をそっと触れると、ゾクゾク感じます。これがかゆみなのです。

 

やけどをしたり、蚊に喰われたときは、皮膚のすぐ内側の小さな袋が破れて中からヒスタミンというかゆみの成分が出ます。このため、痛さが強くないときはかゆみを感じるのです。


かゆみ止めには、ヒスタミンを抑える成分が入っています。かゆいときにかくともっとかゆくなるのは、かくことでヒスタミンの袋がさらに破れて、ヒスタミンがたくさん出るからだと言われています。

お風呂に入るときにつく体の泡は何?

体を流さずに、いきなりお風呂に入ると、体中に細かい泡がつきます。これは、毛穴や毛の間の空気がそのままお湯の中に持ち込まれて、それが温まって膨れて泡になったもの。


体を濡らして入っても、お風呂のお湯をかき回したりすると泡がつくことがありますが、 これは、水の中に溶けている空気なのです。


水の中には、大きなバケツ一杯当たり、コップ一杯分の空気が細かい粒となって混じっているのです。でも、熱く沸かすと、空気の粒がどんどん追い出されてしまい、泡は減っていきます。