秋から冬にかけてだけ活動するアリがいる。

春から夏にかけて盛んに活動していた虫たちも、秋になると卵を産んで死んでいったり、 冬に向けて眠りにつく準備を始めたりします。


そんな中で、秋から初冬にかけてだけ地上に現われて活動するアリの仲間がいます。クロナガアリという種類で、雑食のアリが多い中では珍しく、彼らは穀物だけをエサにしています。

それで、雑草の種が実るこの時期に現われて、一年分の食糧を溜め込むのです。この習性から、別名、収穫アリとも呼ばれています。

一年間も保存している間に芽が出てこないのか気になりますが、大丈夫。ちゃんと、芽が出ない物質を体から出して塗りつけているのです。また、クロナガアリの巣はとても深く、 二メートル以上にもなりますから、自然の冷蔵庫に保存されているというわけです。