アカトンボは暑い夏を避暑地で過ごす?

昆虫と言えば、その行動範囲は限られているように思われますが、鳥のように渡りをする種類もいます。

たとえば、アカトンボの名で知られるアキアカネ。平地の田んぼや池で六月末から七月頃に羽化した成虫は、体は黄色く、短い距離を低く飛びながら、しだいに山へと 移動していき、夏は山で過ごします。

霧ヶ峰などでたくさんのアキアカネを見ることがあり ますが、彼らも人間同様、平地からの避暑客というわけです。
山で虫を食べて暮らしているうちに体も羽も丈夫になり、九月の中頃、オスは真っ赤に色づきます。そして、天気のいい午前中に、オス・メスつながって、大群をなして生まれ故郷に帰るのです。

その距離は、長いときで二〇〇キロにも及びます。 「そのほか、一万キロを超える渡りをするウスバキトンボ、七月に中国大陸から日本に渡ってくるウンカなどがいます。